2017年6月16日金曜日

鏡リュウジ著「占星術の文化誌」

昨日の占いカフェは閑古鳥でした。
ま、そんな日もありますね。

そのおかげと言いますか、お客様を待ちつつ、引っ越しで中断していた『占星術の文化誌』を読了できました。

この本は、占星術がメディア、文学、美術、音楽、医術、心理学のそれぞれ(複合的な場合もあるのですが)とどのように関わってきたか、テーマとして扱われてきたかについて書かれています。
歴史上における占星術の分析として、とても興味深く読めました。

人は不思議なもの、心打たれるものを目にしたときや体験したときに、そこに意味を見出そうとするのではないでしょうか。
夜空の美しさ、星の動きの不思議。
そこには何かの必然があるように思われる。
果たして必然なのか偶然なのか、その間をたゆたってきたのが占星術ではないかという気がします。
だから、縁起を担ぐじゃないけれども、受けられるものなら星のパワーや助けを得たくて、それを真剣に追及する人々もいれば、逆にそれを風刺し揶揄する人々もいる。

つまり、どちらにしても無視できない何かがそこにはあるということ。
占いや宗教、オカルトってそういうものです。

多くの事が科学で解明されていなかった時代、占星術が(=天文学として)今よりも真剣に取り扱われていたことに何の不思議もありません。
現代社会においても、科学や論理だけでは割り切れないことはたくさんありますし、それどころか、そうでないものに真実や癒しがあることもあります。

本の感想とは少しずれてしまいましたが、キリスト教に造詣が深いか否かで西洋の文化の理解が変わるのと同様、この本を読むとまた新しい視点で絵や音楽、文学などを楽しめるようになれるんじゃないかしら。
占い好きな方もそうでない方も興味深く読める本だと思います。




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